ジ ム ニ ー の エ ン ジ ン


改造メニュー 吸気編
  1.  インテークチャンバー
  2.  インタークーラーフィンとファン 
  3.  インテークパイプ 
  4.  インテークパイプ2
  5.  スポンジのエアークリーナー
  6.  アクチュエーター強化
  7.  エアーインダクションボックス
 7,   エアーファンネル

インテークチャンバー

 エアーインダクションでも書きましたが、エアークリーナーボックスの容積というのはエンジンの吸気にとって重要な要素です。特にアクセルをオンからオフ にしたときには、急激に閉じられたスロットルバルブにより、エンジン内に流入しようとして勢いの付いている空気が行き場を失いエアークリナーボックスに 戻ってきますので、ボックスに容積が有ると行き場の失った空気 を溜め込むことが出来ます。次に、アクセルをオンにしたときにスロットルバルブが開き、シリンダー内の負圧により急激に空気が流入しようとしますので、エ アークリナーボックスに戻っていた空気の向きが変わり一気にシリンダーに流れ込み必要空気量を充分に供給す ることが出来るのです。
 今回は、カプチーノエンジンを搭載したおとジム号の吸気パイプとジムニー純正のエアークリーナーボックスに段差が生じていたので、インテークチャンバー によって、段差の解消を図りながらエアークリー ナーボックスの容積拡大を狙いました。
 
 
ペンキ缶にステンレスのパイプをはめ込み、ハンダを流し込み固定しました。



 市街地を走行した感じでは、トルク感が大きくなったと体感できるほどではありませんで した。しかしながら、容積は確実に大きくなっているので市街地と異なる場面での走行では、効果を発揮することを期待しています。



インタークーラーフィン


 ターボで過給された空気をインタークーラーで冷やしてからシリンダーに送り込んでやると、空気の密度が濃 くなりパワーがでる。ならばもっと冷やしてやればもっとパワーが出る。まさにそのとおり、そこで考えたのが「おとジム」特製インタークーラーである。
 空気との接触面積を増やしてやれば冷却できる訳だから、空冷エンジンのようにヒダヒダを付けることにし た。ホームセンターでコの字断面のアルミ材を購入し、適当な長さに切断。接着剤でインタークーラーに張り付けた。
 走行後にヒダヒダを触ると相当に熱くなっているので効果が有ると判断して良いだろうが、運転していて体感 できる程でもないのがちょっと残念。
 さらに多量の空気を取り入れようと、U.Sから購入したACコブラ似のエアースクープを取り付けた。走行 風がより多く入ることは当然だが、停車時には逆にこの開口部から結構な量の温風が出てくる。走行風が期待できない低速クロカン走行時にも、エンジンルーム の帯熱がなくなりトルクの向上が見込まれる。

 インタークーラーファン

 さらにインタークーラーを冷やすためにファンを取り付けた。走行状態では幾らか抵抗になりそうだ が、走行風が当たらない低速時には役に立つ。
 このアイデアは目新らしいものではない(パジェロには純正で付いている)が、「ファンを付けると低速トル クが増すよ」っと読者の方からアドバイスを受けたので早速実行した。電動ラジエーターファンと連動して元気に回っている。



インテークパイプ
 
    
 
 各ジムニー屋で販売しているアルミインテークパイプを、自作できないかと思い作成したのが写真の2枚である。
 左の写真はターボから90°曲がりピカピカ光っているパイプは、洗面台に使われる排水パイプを切って使っている。右の写真は工事用のホースを繋ぐ通称 「タケノコ」と呼ばれているものである。
 ノーマルのゴムホースの片方を手で抑え、もう一方を口にあてて空気を吹き込むとわずかながらににゴムホースが膨らむのがわかる。これを金属のパイプに交 換すれば確かに効率良く圧縮空気がシリンダーに届くだろう。
 ゴムホースと比べると確かにレスポンスが良くなっている。ホームセンターで買った値段は、両方合わせて約2500円これで充分。


   インテークパイプ2

 エンジンをカプチーノのDOHCに交換する時に素人が一番悩むのが吸気パイプの作成と取り回しである。ターボからインタークーラーまでは90° 曲った洗面台の排水パイプを2本接続して作成。インタークーラーからスロットルバルブまでは、JA22のインテークパイプを流用できるのであるが、やはり 「おとジム」らしがないので洗面台の排水パイプを利用して作成した。
 なぜ、洗面台の排水パイプを利用するのかと言うと、メッキがしてあり見た目が綺麗なのは勿論、パイプの材質が真鍮製のためにハンダで容易に接続できるこ とが一番の要因である。
 JA22を流用するよりも、内径が大きいために大量に空気が送れるのでレスポンスが向上し、ターボの「ヒューン、ヒューン」音が聞こえるようになる。



スポンジのエアークリーナー

     もうこのタイプに交換されている方も多いでしょう。これは「ビックホーン」だか「ミュー」のものを流用したのですが、ジムニーにもピッタリで す。
     吸入した空気が特定の場所にしか当らないので、写真のように黒丸ができてしまいます。そこで定期的に回転させて使用しています。

     



アクチュエーター強化

     既に御存じの強化方法ですが、トライしてみました。
     おとジム号はノーマルアクチュエーターでは過給圧が0.7・しか上昇ませんでしたので、スプリングを 追加して0.85・にいたしました。
     アクチュエーターにホースバンドを巻き付け、アクチュエーターのロッドにワイヤークリップを留めてそ の間にスプリングを2本渡しただけのものです。

     
     アクセルを踏むと、スプリングが抵抗になって過給がパッと上がっていき、0.85でピッたっと止まり ます。若干加速性が良くなったようですが、思いっきり体感できるほどでは有りませんしエンジン特性もピーキーになりました。
     このピーキーさは好き嫌いが別れそうですが、脱着も簡単で材料費も1000円でおつりがきますので興 味のある方はどうぞ。

エアーインダクションボックス

     エンジンの低中速の反応と高回転の吹け上が りを向上さ せるため、大容量のエアークリーナーケースを製作しました。
     エンジンが要求する空気を効率良く流し込むということでは、
    「グ ワッ、グワッ」と野太い音が出て、いかにもレーシーな雰囲気を出すエ アークリーナー剥き出しタイプが一番効率が良さそうですが、草レースに出走した経験では、発進時にエンストを誘発する程の低速 トルク減少と中速でのスロットル開閉に対するレスポンスの鈍さを感じました。結局のところ音はあ くまで雰囲気だけのこと。バイクではエ アークリーナーケースが車体の割りに大きな面積を占めていることから、大容量であることが高出力の一端を担っているのは確かです。
     エアークリーナーケースの 容量を大幅に増加させることにより、エンジンが必要とする空気を安定的に供給し、急激なスロットル開度に対してエンジンの出力を有効に作用させることが可 能と なります。また、エアークリーナー内までドロ水が浸入することが良く有りますが、このケース内で泥水と空気を分離する役目も負ってます。
     作製にあたっては、複雑な形も製作できるFRPを利用しました。型取りで悩み、試行錯誤の連続でしたが細部のバリ取りと塗装を残すのみで何とか完成させ ました。FRPでいつも思うのは、基になる「型」がいかに大事かということです。

蓋の製作 割り箸は補強材(本当)

装着した状況 最大の容量に挑戦!

フィルターは、汎用品を使用する。
吸入口は純正と同位置とし、熱風と泥の侵入阻止を企む。

空気流入口はラッパ状にして、吸気抵抗を減少させた
     ただいま、お とジム号は 7.00-16の大径タイヤを履いているので、2速発進ではクラッチ操作に少々気を遣います。インダクションボックスに交換してからはラフなクラッチ操作 でも発進が可能になった。例える なら2速から1.8速になったような感覚である。そのまま、3速で引っぱり4速にシフトアップ。周囲の状況を確認しながらアクセルを踏んだり離したりを繰 り返した。連成計の針が-50から0.8までまさに踊るようにピヨンピョンと動き回っている。中速域でのレスポンスも良い。トルクが一回り大きくなった感 じです。
 早朝の東名高 速での感想ですが、ICで本線への加速でストレスな く回転が上昇してまず納得。続いて95キロの大型車をビューンと抜 いて満足。山北町の登坂路でもアクセルをひと踏みでヒョェーンと加速して感激。耳 を澄ますと純正より若干吸気音が大きくなっているが、気にならないレベルであ る。

 改良 1

 エアーインダクションボックスにアルミヒートバリアを貼付け、エンジンルームの熱気から吸気 した空 気が暖 められるのを防止した。FRPは樹脂なので、金属と比較して熱伝導が悪い。このことを生かして、エンジンの熱気を遮ることができる。さらに バリアを巻き付けたので、完璧である。蓋は白色に塗り、補強の割り箸が見えないように化粧をしました。

ヒートバリア
 
ヒートバリアを装着した様子

 改良?2

 2007年の2時間耐久レースに出場するため、エアーインダクションボックスに改良を加えた。
 
 青い線のよう に空気を取り込み大きなゴミを遠心力で飛ばし、小さなゴミをフィルターで取る2段方式である。
 
2時間ず〜と泥水を浴び続けた結果ですが……。





玉砕しました。
泥水は手強いですな。
 泥水がエアーインダクションボックスの奥まで侵入しています。泥水 の中に含まれる小さな砂がターボ内まで侵入していました。
原因としては、フィルターの目が荒いので、細かな砂を通してしまった。目張りしたフェンダーから空気を吸ったのだが、泥水の浸入を許してしまった。
 解決策を考え、2008はリベンジします。



エアーファンネル

  エンジンにもっと空気を取り入れよう。
 そためには、エアーファンネルが有効です。この部品は、切りっぱなしのパイプの入口に取付けて、空気の通り道をスムーズにして口径以上に空気を吸えるよ うにするもの
です。

 カールしたファンネルとすることで、ファンネル前面の空気はもとより、ファンネル後部からも空気を吸うことができます。さらに、切りっぱなしのパ イプではパイプ内に空気の渦が発生し事実上空気取り入れ口の面積を減少させてしまうのですが、ファンネルを取付けることにより渦の発生が抑えられ断面積分 の空気を吸い込むことができるようになります。これがファンネルによる効果です。

 
純正エアクリーナーケースの入口にはめ込みます。

 以前からこのファンネルを探していたのですが、このケース径にピッタリなものが見つか らなかったのです。今回偶然ピッタリのが見つかりました。
 さらに、蛇腹パイプにつなげてこんな使い方もできます。

ライト裏から冷たい空気を吸入

ケース裏に回して泥水の浸入防止

 実際に、ファンネルの効果を検証してみます。ファンネルの後部からも煙を吸うか蚊取り線香の煙で実験してみました。
 アイドリングでは吸入空気量が少ないので、エンジンを1500回転に固定しました。これ以上回すと騒音でご近所の迷惑になりますから。
 


煙の一部は吸い込まれていますが、多くの煙がそのまま昇っています。


ファンネル後部から煙が一筋の流れになっているのが見えます。
      

 簡単な実験でなのでその全てを較べることには無理があるのでしょうが、ファンネルの効果が確かにあることを改めて実感しました。